クラウド テスティング サービス I: 技術的性能テスト

ライオンブリッジのプレリリース テストがゲームの正式リリースを限りなく円滑にします


テストは命綱

私の趣味はロック クライミングです。

怖いと思うことはありますが、病みつきになる面白さです。わずか数本のロープと小さな金具に命を預けるのですから、ゾッとする方もいるでしょう。ですが、愛用している器具の強度や耐久性が信頼できるので、安心してクライミングを楽しめます。

カラビナを例に説明しましょう。小さな連結金具ですが、耐久性という点において、極めて高い基準をクリアしていなければなりません。日常よりはるかに高い基準が求められます。さらに、ありとあらゆる誤使用を想定したテストも行われます。カラビナを逆向きに取り付けてしまったらどうなるのでしょうか。二重に負荷がかかってしまったら? 開閉部がロープに引っかかったら、アイスクライミングに使われたら、使う前に何度も岩に叩きつけられたら... さまざまな状況を想定したテストを受けていない製品は、壊れて使用者に重傷を負わせかねませんし、その結果、メーカーにも深刻な問題が発生する可能性があります。

私はビデオゲームも好きです。

この二つの話題はどう繋がるのでしょうか。

たしかに、少なくとも物理的被害という点では、ゲームスタジオにとって、ゲームのリリース後すぐにインフラに障害が生じても損害は少ないといえるでしょう。ですが、甚大な経済的損失を被る可能性はあります。リリース直後なのにおおぜいのプレイヤーの目に留まらず、数か月あるいは数年にわたる開発の努力が水の泡になってしまいます。数日もすれば、プレイヤーの興味はほかのゲームに移ってしまい、そのゲームには二度と見向きしなくなるでしょう。こうなってしまえば、取り返しがつきません。

そこで、管理されたあらゆる環境下でのテスト (プレイテスト、ユーザビリティ テスト、機能テスト、コンプライアンス テストなど) を終えたら、次は"制限を取り払った"環境で何回かセッションを行う必要があります。「"1 回のセッション"で」と言いたいところですが、負荷テストを 1 回で無事に切り抜けられたゲームはこれまでに見たことがありません。現実を模した環境を用いたテストは、期待、驚き、悲鳴の連続です。数日後、あるいは数週間後に改善された製品を用いて、再度負荷テストを行うというサイクルが繰り返されます。

現実環境下での性能テストから見えてくるもの

驚くほどたくさんあるので、一部だけご紹介します。

  • 技術的な準備状況の評価
  • ストレス限界
  • ハードウェアの互換性
  • 地域ごとの速度とラグの発生
  • UX/UI のフィードバック
  • 現地または母国語プレイヤーによるローカリゼーション QA
  • ユーザーからのフィードバック レポート

現実環境における性能テストでは、用意されたインフラが技術的に十分なものか明らかにすることができます。それまでは少数の開発者やテスター向けに稼働していたゲームが、300 人、あるいは 3,000 人のプレイヤーが同時に接続した場合、正しく動作するのかを検証するのです。このようなログインが集中する状況で、認証サーバーはどのような対応をするのか。コンテンツは意図したとおりに提供されるのか。マルチプレイヤー コードはどのユーザーにとっても健全なロビーを維持できるのか。それにラグの程度は?

得られるのは人数に関わる情報だけではありません。開発拠点のある国と世界各地のプレイヤーでの、ゲームへのログインにかかる時間の違いも重要な情報です。果たして両者は同じセッションでプレイできるのか。平等なエクスペリエンスを得られるのか。

ストレステストの結果も見逃せません。サーバーに関する問題はもちろん、機能に関わる問題も次々と見つかります。数か月の内部テストでも現れなかったバグをまとめて拾い上げなくてはならないでしょう。

互換性の問題もあります。200 人の Android ユーザーにゲームをテストプレイしてもらえば、その対応デバイスは、将来のターゲット市場で求められる範囲とも広く重なります。PC ユーザーが 500 人いれば、ありとあらゆる CPU、チップセット、RAM のモデルなどによるテストが可能になります。

忘れてはいけないのが、発売前にユーザーからのフィードバックを得られる貴重な機会でもあるということです。これについては、次で詳しく説明します。

幅広い層を網羅する多様な人材

現在も成長を続けるライオンブリッジ ゲーム部門の人材データベースには、世界のほぼすべての国にまたがる 6 万人を超えるゲーマーが登録され、あらゆるプレイヤー層を網羅しています。それらゲーマーを多数の属性で追跡することにより、幅広いユーザー層から細かく指定されたターゲットまでの活動にアクセスすることが可能になります。都市単位の地理的な絞り込みから、パーツ単位のハードウェア ブランドとモデル、OS のバージョンまで、私たちの手元にはお客様の求めるすべての情報が揃っています。

使用プラットフォーム、インターネット プロバイダー、好きなジャンル、どのような視点からゲームの評価が必要になったとしても、ライオンブリッジならお客様のニーズに合わせたゲーマーのグループを素早く選び出し、まさに必要とされた答えを提供することができるでしょう。

時と場所にしばられないテスト

いかがでしたでしょうか? ライオンブリッジのチームは、お客様の現在の開発段階における最重要課題を見極めるお手伝いをします。是非ご相談ください。以下はライオンブリッジが提供するサービスの一例です。

  • 負荷テスト (ユーザーの集中アクセスに対するインフラの耐久性を評価)
  • ストレス テスト
  • マルチプレイヤー テスト (特にロビーやマルチプレイの正常動作を評価)
  • 地域接続性 (場所、ISP、並びに 3G/4G/5G 接続と WiFi 接続の比較評価)
  • 任意のハードウェアでの互換性テスト

上記以外のサービスをお求めの場合も、お気軽にお問い合わせください。お客様に最適なソリューションをご提案いたします。

耐用テストをクリアしていないカラビナでロック クライミングに挑むことはあり得ません。ライオンブリッジは、岩を相手にゲームの耐久性を試すことはしませんが、ゲームの限界を試す技を熟知しています。お客様のゲームを、世界一厳しい批評家、つまりプレイヤーの目にも耐えられるものに仕上げられるでしょう。


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トミー ラシャンブル
著者
トミー ラシャンブル