ライオンブリッジは今年、ゲーム ローカリゼーションのソリューションとゲーム テスト サービスをご紹介するため、いくつかの主要なゲーム カンファレンスに参加しました。以下のカンファレンスでは、多くの方々にお集まりいただきました。
今回はゲーム業界、とりわけゲーム ローカリゼーションや QA テストのアプローチ、多言語での大規模なコンテンツ提供において進化を続ける AI の役割について、カンファレンスから得られた重要なトレンドや注目ポイントをご紹介します。
本年度に開催されたカンファレンスでは、ある顕著な傾向が見られました。それは、いくつものゲーム開発スタジオが、最終的なリリース段階のみならず、開発サイクル全体において QA (品質保証) とローカリゼーション品質保証 (LQA) に厳格に取り組んでいるという事実です。
制作期間の短縮による、検証時期の前倒し: 2020 年以降、予算とリスク許容度の低下が進み、パブリッシャー各社は開発のより初期の段階で製品の有用性を確認しなければならなくなりました。アルファやベータ段階での機能 QA や LQA テストは、大きなリソースをコミットする前に技術的な問題やローカリゼーションの破綻を特定するのに役立ちます。
ゲームの複雑さに比例して増えていく、ローカリゼーションの課題: 近年のゲームには分岐型ストーリー、コンテンツのプロシージャル生成、さらには広大なゲームワールド全体にわたる複雑な UI システムが続々と導入されています。こうした要素により、これまでにないローカリゼーションの課題が生まれることになりました。テキスト表示領域の問題やコンテクストに応じた翻訳、サービス対象地域に合わせた文化面での調整など、課題の解決には専門性の高い LQA 技術が必要となったのです。
グローバル ローンチにおけるプラットフォーム間での統一性: 複数のプラットフォームでのグローバル同時リリースを行う場合、プレイヤーが家庭用ゲーム機、PC、モバイル デバイス、VR のいずれを使用しているケースでも、ローカライズされたコンテンツが統一性を持って正しく機能することを LQA は検証する必要があります。プラットフォーム特有の技術的な制限により、通常の機能 QA では網羅しきれない特殊なローカリゼーション問題が発生することも考えられるようになりました。
ライブ サービス モデルに不可欠となる継続的な LQA: ライブ サービスとして提供されるゲーム タイトルでは、シーズン コンテンツやアップデート、コミュニティ イベントに対応できる継続的な LQA が必要です。ローカリゼーションでは、言語的に正確であるかどうか、既存のコンテンツやシステムに符号するシームレスな統合がなされているかどうかをテストする必要があります。
グローバルなソーシャル メディアを起点としたマーケットに対するプレイヤーの期待: グローバル化した現代のプレイヤーは、ローンチ当日にソース言語と同じクオリティのコンテンツが自分の言語でリリースされることを期待しています。ソーシャル メディアで取り上げられる、たったひとつのローカリゼーション のバグが、世界中でのゲームの評価にネガティブな影響を与えることにもなりかねます。そういう意味でも、LQA はクオリティの管理だけに留まりません。御社の製品のグローバル ローンチにおける、リスク回避手段でもあるのです。
世界同時リリースの必要性により生まれる根本的な課題: 開発のタイムラインを延長せず、いかにして15以上の言語でクオリティの高いゲーム ローカリゼーションを実現することができるのでしょうか?AI によるゲーム ローカリゼーションは、近年爆発的に用いられるようになったソリューションです。今年のカンファレンスでは 2 つの重要なアドバンテージが話題になりました。
ローカリゼーション パイプラインの迅速化: AI を活用したゲーム ローカリゼーション サービスを採用すると、従来のワークフローと比べて 40% も期間を短縮することができます。この迅速化により、開発スタジオはより多くの言語の SKU に対応しつつ、世界同時リリースのスケジュールを維持することが可能になります。これは、中国や日本、欧州など、リリース時にそれぞれの母国語対応が期待される成熟した市場に参戦する際に極めて重要なポイントです。
今後の成長が期待される市場での経済的有効性: これまでのローカリゼーションでは、コスト面での課題から大規模な市場のみに専念せざるを得ない状況がありました。しかし、AI 支援による翻訳を活用することで、ティア2およびティア3の言語に対応することがコスト的に可能になり、東南アジアやラテン アメリカ、東ヨーロッパといった新興市場にも展開ができるようになります。対応言語が多ければ多いほど訴求可能なプレイヤー人口が増え、製品のライフサイクル中に期待できる収益のポテンシャルも増大します。
デベロッパーとの会話から得られた重要な知見: 開発スタジオは、スピード、コスト、クオリティのいずれかを選択したいわけではありません。彼らはその 3 つすべてを実現するソリューションを必要としているのです。
今年のカンファレンスにおいて Lionbridge Samurai™ を公開した際、ゲームに関連する特殊な要件を理解していないジェネリックな AI ツールではうまくいかないという事実を、改めてデベロッパーやパブリッシャーのみなさんに確認していただくことができました。それは、私たちが何十年にもわたりゲームのローカリゼーションから学んできたことでもあります。
弊社の Samurai は、ゲーム ローカリゼーション会社がゲーム デベロッパーのために開発したものであり、既存のものとは根本的に異なるアプローチを行います。このソリューションは、個々のプロジェクトのニーズに対応するべくカスタマイズされたフロンティアモデルの AI で構成され、高度な技術を持つ人間の言語スペシャリスト、ローカリゼーション エンジニアによりサポートされています。
コンテクスト第一のアーキテクチャー: 一般的なジェネリック翻訳 AI とは異なり、Samurai は、まずゲームのキャラクターや世界観、トーンやナラティブの構成を学ぶところから始めます。その後、その過程で得た理解を翻訳に適用します。このアプローチにより、すべてのターゲット言語において統一性のあるキャラクターの話し方を実現し、正しい世界観を維持しつつ、クリエイターの意図を反映することができるのです。
個々のゲームに特化したカスタマイズ: Samurai は、ストーリー性のあるアドベンチャー ゲームの韻律を維持したり、コメディ RPG の言葉遊びを再現したり、シミュレーション ゲームの技術的な精度を確保したりなど、それぞれのゲーム特有の課題に適応することができます。本システムは学習することで、個々のゲーム特有の要件をすべての言語に対して適用することができるのです。
核となる人間の専門性: Samurai は AI の効率性と人の手による TEP 品質の管理能力を組み合わせます。経験豊かな弊社のゲーム翻訳者がアウトプットのレビューを行い、それをさらに磨き上げることで、Samurai は文化的なニュアンスや地域ごとの傾向、年齢に基づくレーティングの留意事項に適切に対応していきます。Samurai は、AI の迅速さと人間による品質管理の双方を提供することができるのです。
Samurai がもたらす成果: グローバルに広がるプレイヤーが期待するローカリゼーション品質を損なうことなく、短期間で成果物をご提供します。
ゲームの品質チェックやローカリゼーションのニーズがおありでしょうか?AI を活用したゲーム ローカリゼーションがどのように御社のグローバル リリース戦略に役立つか、ご興味はありませんか?高品質な多言語コンテンツを発売するまでのスケジュール短縮とグローバルなプレイヤー層の拡大に当社がどのように貢献できるかご説明いたします。今すぐお問い合わせください。